第16弾 開催模様
参加者数
A. 令和時代のIoT仕事術セミナー | 37人 |
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A. 令和時代のIoT仕事術セミナー
日時 | 2019年11月26日(火)15:00~18:20 |
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場所 | 横手プラザホテル |
担当講師 | 株式会社シンカ / 江尻 高宏 氏 日本マイクロソフト株式会社 / 吉田 雄哉 氏 日本マイクロソフト株式会社 / 河野 省二 氏 |
参加者 | 37人 |
(1)IoT時代のビジネスの創り方とその導入事例
時間 | 15:00~16:00 |
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担当講師 | 株式会社シンカ / 江尻 高宏 氏 |
現在、Raspberry Piのような安価なIoT(Internet of Things)機器や、クラウドサービスが登場したことなどがあり、ビジネスはとても始めやすい時代になってきています。その中でビジネスをどんな風に考えたらいいのか、ということを、株式会社シンカ代表の江尻高宏さんが実体験を交えながら講義してくれました。
IoTでビジネスを行う上で念頭に置かなければいけないのは、ソフトだけでなくハードも絡んでくる、というのが一つ大きな部分になってくるようです。例えば、ビジネスを始める前に必要な3つのこととして、セミナー内では「実現可能性のチェック」、「ニーズのチェック」、「市場のチェック」が挙げられていました。中でも実現可能性のチェックにおいて、コアな部分の機能が作成可能かということの他にハードの在庫管理/調達も行わなければいけないと言う部分が、単純なソフトウェアの開発と大きく異なる部分だと感じました。
また、ハードが絡んで苦労する点として、環境のパターンがあまりにも膨大で、動くはずのものが動かない、という状況が多発したことを、株式会社シンカで提供しているサービス「カイクラ」を例にとって教えてくれました。その時に、何度もハードに手を出さなければよかった、と挫折しそうになりながらも一つ一つ検証を進めて行った結果として、現在他に競合が殆どないサービスの提供を行えているのだそうです。
IoTはこれからもっと身近なものになっていき、より多くの人とモノが繋がっていくかと思います。その流れに乗り遅れずに、今回のセミナー内容を自分の糧にしてビジネスを創っていきたいと思います。
(2)Microsoftの社員はどんな働き方をしているのか~就労4日はいかに実現されたのか~
時間 | 16:10~17:10 |
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担当講師 | 日本マイクロソフト株式会社 / 吉田 雄哉 氏 |
ITAP#16の2人目の講師は、日本マイクロソフト(株)マイクロソフトテクノロジーセンターの吉田雄哉氏です。
吉田氏からは、「Microsoftの社員はどのような働き方をしているのか~就労4日はいかに実現されたのか~」と題して、日本マイクロソフト(株)が取り組んでいる働き方改革についてお話しいただきました。
日本マイクロソフトの「働き方改革」は長い時間をかけて行われており、その結果として10年前と比較すると時間当たりの生産性や一人当たりの生産性は上昇している一方、勤務時間は短くなり、特にペーパレス化などの仕事の効率化が進んだとのこと。
そのような改革を進めるため、オフィスを一新し、フレキシブルワーク環境を整備し、就業規則の改定や新しい休業制度を実施。今までの習慣の見直しを図ったそうです。
日本マイクロソフトは今年度のワークライフチョイス推進自社実践プロジェクトについて「短い時間で働き、よく休み、よく遊ぶ」をキーワードに、いかに生産性と創造性を向上させるための事業を実施。就労4日制を行いました。
実施後の社内アンケートでは、ある程度の不満や苦情はあり、「働き方の多様性」に基づく解決策を今後も模索していくとの話ありました。
(3)ビジネス継続のためのセキュリティの考え方
時間 | 17:20~18:20 |
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担当講師 | 日本マイクロソフト株式会社 / 河野 省二 氏 |
「ビジネス継続のためのセキュリティの考え方」というテーマのもと、日本マイクロソフト株式会社の河野先生を講師に、お話をしていただきました。
現在、セキュリティ問題の1つに「なりすまし」と呼ばれるものがあります。「なりすまし」とは「他人のふりをして活動していること」です。赤の他人が特定のユーザーになりすまし、ネットワークへ侵入、その結果情報の漏洩問題に発展することが考えられています。
そのような「なりすまし」がある中、自社のネットワークにいる特定のユーザーが「本物」なのか、「なりすまし」なのか判断できている必要があります。そのため、セキュリティの考え方として、「情報保護」よりも、「本物」であるという証拠とともに、他者へ説明できることが求められています。この「本物」であることを「証明」できる機器、システム(例:「IDaaS」)が今後セキュリティ分野において重要になっていくそうです。
また、「サイバーレジリエンス」という考え方も今後大事になってくるとのことです。「サイバーレジリエンス」とは「攻撃を受けてしまう事を前提として、攻撃を受けた際に、どのように組織の機能を維持し、いかにすばやく対処・復旧するかという回復力(レジリエンス)を高めるべきという考え方」です。現状、標的型メールはネットワークで防げないなど、通常のセキュリティ対策ではすべてを防ぐことはできません。そのため、攻撃を受けることを前提とし、できる限り早い復旧作業ができる環境を整えることも重要になるとのことです。
今回の講演を聴き、私はセキュリティの考え方を今一度考える良い機会だったと思いました。セキュリティの問題も「なりすまし」のほか、今後新しい類のものが出てくる可能性もあり、前述したように、すべての問題を防止することは厳しいのが現状です。だからこそ、「サイバーレジリエンス」という考え方の下、昔のセキュリティの知識だけではなく、最新のセキュリティの考え方、また最新のシステムを用いながら問題への早急な対応、セキュリティへの「責任」を持てるようにこれから考えていく必要があると感じました。